本当のキモチ
□7
2ページ/6ページ
「昨日はビックリしたよ」
「+++・・・忍足くん・・・迷惑かけちゃってごめんなさい!!」
2人に謝る***
俺が知るあの頃の笑顔と何も変わっていない・・・
それなのに***の中に俺の記憶はないんだよな?
俺の中にはこんなにも***が存在してるのに・・・
「景吾くん?大丈夫?」
心配そうに顔を覗き込む***に俺は思わず顔を背けていた
「今日の朝練で少し疲れてるだけだ」
本当は昨日、***の電話をずっと待って起きてた
・・・なんて言ったら驚くだろ?
正確には連絡を待ち続けて気付いたときには朝だった
俺らしくねーよな―――
《ガラっ》
「ねぇ侑士〜昨日のテレビちゃんと見てくれた?」
勢いよく入ってきたのは黒崎財閥の令嬢“黒崎めい”だった
昨日は黒崎の家がテレビに映っていたらしい
1週間前から鬱陶しいほど宣伝する彼女の姿をあちこちで見た
もちろん俺はそんなものには興味がねーから見てもない
確か今、黒崎は忍足と付き合っていると聞いている
(黒崎か・・・)
昨日、***の祖母に言われた言葉を思い出す
『黒崎財閥には気をつけなさい』
あれには・・・どういう意味が?
意味もなくあんなことを言う人ではないから余計に気にもなる