本当のキモチ
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「ほな、また明日な〜」
「明日はちゃんと朝練でるC〜」
「あぁ、遅刻すんなよ!」
ハードな部活を終えて帰っていくテニス部の奴等
あいつ等とは校門で別れた
「景吾様、お疲れ様です」
今日は珍しく執事が車から降りて待っていた
“あぁ・・・”と短く返事をすれば茶色い封筒を手渡してから運転席に向かった執事
いつもクラブ後の車は静かに目を閉じていることが多い俺だが今日は食い入るように書類に目を通していた
「黒崎財閥・・・」
表紙をめくって報告文を読み始めた俺は驚きの連続だった
あまりいい噂を聞かなかったがまさかここまでとは・・・
名前の通り黒いことやってんじゃねーかよ!
ページを捲ると氷帝に通う娘や息子のことが記載されていた
「・・・交際相手まで・・・これは必要ねーよ・・・ハハ・・・」
と口にした瞬間、目を見開いた
(忍足・・・オマエ、)
お前は+++のためにアイツと付き合ってるのか?
それなら―――俺が助けてやるよ
それにしても・・・
さすが跡部財閥の情報網だ
高校生1人の恋人、その付き合ってる理由まで報告してくれるとは
「くくく・・・」