本当のキモチ

□10
1ページ/8ページ

嫌がらせが始まってそろそろ2週間が過ぎたかな?
私の話を聞くこともせずに一方的な先輩達
いつかわかってくれる?


「行ってきます」


(ダメ!弱気になっちゃ)
靴を履いていると周助が私のそばにやってきた
“朝練サボっちゃダメよ”なるべく明るく言ったつもりだった
それなのに―――
周助は私を抱き締めて“笑わなくていいよ・・・”って

笑わなくていい?
周助は気付いてるの?本当は私が泣きたいことに
これ以上1人で抱え込めない・・・
“周助・・・いつか先輩達に私の声届くかな?”そう言えば私の瞳から一筋の涙が流れた
同時に周助の抱き締める力がさらに強くなった
“大丈夫だよ”そう言ってもらえた気がした
(うん・・・私、まだ大丈夫)


「周助・・・私、まだまだ頑張れるよ!だから・・・応援してね?」


自分でも声が震えてることはわかった
でも、周助にパワーをもらったから大丈夫!
そう言おうとしたら・・・
周助と私の唇が静かに重なった
優しい優しいキス。とても心地よい・・・


「周・・助・・・?」


私の顔はきっと真っ赤
だって・・・
ファーストキスだもん!


「***が元気になるおまじないだよ」


そう言って微笑む周助
なんだかとても温かい気持ちになった

うん。
今日も1日頑張れる!
私はいつもより元気に学校へと向かった

次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ