本当のキモチ

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「おはよーさん!」

「おはよう忍足くん。今日はテニス部の朝練ないの?」

「俺は寝坊やねん!」

「<クスクス>・・・なんだか芥川くんみたいだね」


寝坊とテニス部という単語で思い浮かんだのは芥川くん
私は自分で言ったこの言葉に少し後悔した


「***ちゃんジローと知り合いなん?最近ちょいさぼっとるもんな?サボり仲間やな?」


危ない、危ない!
忍足くんはカンが鋭いから・・・でもヨカッタ何も気付いてない


「そ、そうだよ。それじゃまた教室でね」


同じクラスでも男子と女子の下駄箱は違う場所
忍足くんと別れて私は自分の下駄箱に向かった
そしていつもと同じように鞄から上履きを取り出して履き替えた
(もう慣れっ子よ・・・)
そのあと下駄箱に入っている一言のラブレターに目を通した


『放課後、裏庭へ』


今日は裏庭か・・・
朝からまたため息が出る
まぁ放課後まで何もなければ今日はサボらなくていいからラッキー?

忍足くんが眉間にシワを寄せて私を見ていることに気付かなかった
上履きを持って帰っていること、
下駄箱に入ってる紙を見てため息をついていること、
このとき彼の頭にあることが浮かんだのだろう
私が必死に隠し通してること・・・

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