本当のキモチ
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黒崎さんの誕生パーティー
それはとてもとても盛大なもので・・・
扉が開いた瞬間に突き刺さる多くの視線に頭が真っ白になった
いつも開いてもらう楽しい誕生日会とはわけが違う・・・
私にこういう華やかな場は似合わない―――
「***」
周助に手を差し出されて我に返った私は・・・
慌てて手をとって階段を下りてホールの中に入った
その後、入口を見るとまた誰か紹介されていて・・・
男の人が1人立っていた
そしてその男の人は私をまっすぐに見つめていた
(知らない人・・・だよね?)
でも、知ってる気がする?
頭の中で“***!”
誰かが私の名前を呼んでいる
とても懐かしい声―――
私もよく知る声のはずなのに・・・
どんなに考えてもその声の主の顔が思い出せない
《ズキン》
「***・・・大丈夫??」
記憶が戻りかけてる?
でも・・・まだよくわからない
きっと周助にもうまく説明なんてできないよ・・・
「うん!人の多さにビックリしちゃっただけ」
こんな理由・・・
周助には嘘だってバレバレに決まってるのに
「・・・軽〜く青学の生徒数は超えてそうだよね」
周助は気付かないフリ
“・・・ありがとう”と言えば微笑んだ周助が“・・・どういたしまして”と言ってくれて、こんな場所でも飲み込まれることなく平静を保てる彼という存在を改めて誇りに思う