本当のキモチ

□15
2ページ/7ページ

「黒崎さん!おめでとう」

「不二くん!ありがとう」


黒崎さんは黒のラメが入ったそれはもう立派なドレスを着ていて
私には女王様に見えた・・・


「ほら、***も?」

「あのっ!素敵なお誕生日会に、招待していただいて・・・ありがとうございます」


さっき来る途中に周助と何度も練習した言葉
ちゃんと言えたかな?


「ごめんね?***は黒崎さんみたいに華やかな場に慣れてなくて・・・」

「仕方ないわよ!世界が違うんだから。2人とも楽しんでね」


そう言い残して黒崎さんは私達の元から去った
そしてその後ろにはなぜか忍足くんの姿があった
気付かなかった・・・+++は大丈夫かな?
ふと窓側に目を向けると景吾くんと+++・・・さっき私の後に入ってきた男の人が話しているのが見えた

“住む世界が違う”
黒崎さんの言葉が耳に残っていた

どんなに着飾っても・・・
しょせん私はニセモノのお姫様
本物になんてなれない
景吾くんとは住む世界が違いすぎるんだね・・・
こんな場所でまた思い知ることになるなんて―――


「***!周助さん!」

「あれ?景吾くんと一緒にいたんじゃ・・・」

「幼なじみと再会したみたい。私は・・・食事がしたくてこっちに来ちゃった☆」


イタズラっぽく笑う+++
忍足くんのことが気になって仕方ないはずなのに・・・
+++は強いね


「食事、取りに行こう!」


そう言って+++は私を引っ張って豪華な料理が並ぶテーブルへと足を進めた

次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ