READY GO!

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両親が本当に去ってしまったという現実を前に

泣きそうになりながら―――いや、正確には大号泣しながら弟に抱きついていた。



「・・・リョーマぁぁぁ・・・」

「はぁ、とにかく・・・これからのことを整理しようか?」



本当に私より年下なのだろうか?

どこまでも冷静な弟である

これもテニスで培った精神力?

感心の眼差しを向ける私に弟はピンっとでこぴんを送りつけた。




――――――

――――

――





ことの始まりは夕食後だった



「あっ私達、今からアメリカに行こうと思って」



近所のコンビニに行って来るねーという雰囲気で話す親に思わず飲んでいたお茶を吹き出した。

さすがにこの時は弟も驚いていたみたいだけど・・・



「住職の仕事は??」



驚きながらも1週間くらいの旅行なのだろうと思っていた私

きっと弟だって同じだったはず



「臨時だからな!本物が戻ってくるぞ。で、ここもおさらばだ」

「明日は引っ越し屋さんが来るから荷物まとめといてね〜」



(おさらば?引っ越し??)

言われた言葉がうまく頭の中に入ってこない

今―――何の話してるの?



「引っ越し先は神奈川だから今の学校は通えないし・・・家から一番近い学校に転入手続きしといたよ」



神奈川?て、転入手続き????

それって・・・私・・・まさか・・・



「・・・転校するの?」



私の思考を読み取ったかのようにリョーマが初めて口を開いた。

私は大きく頷いてその先に出てくるであろう言葉を待った。



「リョーマは中学卒業までは青学よ。遠いけど部活は引退してるし大丈夫!」



大丈夫って・・・

それはリョーマが判断するものであってママがすることではないのでは?



「***はまだ1年以上もあるから2学期からは新しい学校よ」



新しい学校・・・??

もう、頭の中がぐちゃぐちゃだ



「アメリカ長いの?」

「ママが弁護士の勉強してたときの友達に仕事手伝ってほしいって言われたの」

「心配しなくてもお前らの仕送りは大丈夫だ」



そんな心配・・・

そこまで頭回ってません!
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