READY GO!
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‐ 幸村精市side ‐
着替えを終えた俺達は教室に向かっていた。
廊下を歩くと***に嫉妬の眼差しを向けてくる数人の子達・・・
きっと***がマネージャーになったことを知ってるのだろう
何もなければいいけど
いや、何もさせやしない―――
教室に入ると***は優菜にお疲れさまと声をかけられていた
マネージャーもテニス部だと言い放つ優奈の言葉に***の涙腺は緩んでいるようだった
そうだよ・・・
マネージャーも大切な仲間だよ
“ありがとう”と答える***の笑顔が眩しくて・・・俺も自然と笑顔になる
***は下を向いて涙を堪えらているようだった
教室だということを忘れて彼女を俺は抱き締めたくなった。
岩田先生に声をかけらるまで
「幸村!竹内の教科書がまだ届いてないんだ。しばらく見せてやってくれよ」
そう言われるまで彼女から目を離すことができなかった。
(教科書まだなんだ・・・)
彼女は俺に遠慮して柳に借りにいこうとしているようだけど
俺は少しでも***の近くにいたくて“柳はその日ある教科しか持ってないよ”
気付けばそう教えていた。