READY GO!
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‐ 幸村精市side ‐
練習試合の日はやってきた
彼女に相手校の名前を告げることが出来ないままに・・・
青学で中学1年の頃からテニス部のマネージャーをしていた彼女
相手が青学だと知ればおそらく休んで青学を応援しに行くだろう
そうなると分かっているからこそ言いたくなかった
俺には言えなかった
彼女には俺達を―――俺を、応援してほしいから・・・
部室に入ると忘れ物チェックをしている彼女がいた
昨日は遅かったのか大きな大きなあくびを1つ
コロコロと変わる表情が可愛らしくて、つい笑ってしまった。
恥ずかしそうに部室をあとにしようとする彼女の腕を気が付けば掴んでいた
“***は・・・俺達のこと応援してくれる?”
そんなことを***に問えば優しい彼女の答えは想像通りで
“立海のマネージャーだから”そう、俺の大好きな笑顔で返ってきた。
***を先にバスに向かわせた俺は“立海のマネージャーだ”と言う***の言葉を思い出して少し幸せを感じていた。
今だけは少し―――
それと同時に、
青学を前にしたらどのような態度になるのだろう・・・
小さな不安が生まれていた