READY GO!

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‐ 幸村精市side ‐



《ビシッ》



最近は球のキレが悪い・・・



お疲れさまですと言って練習の合間にドリンクとタオルを持ってくるのは平部員

***がマネージャーになる前と同じ光景だ

レギュラー陣の負担にならないように文化祭の準備を***がしてくれているのは知っているものの・・・

俺は***がいないだけで調子は思わしくない

席替えで対角線に離れてしまって教室で話す機会もほとんどなくなってしまった俺が***と話せる場所はコートだけなのに・・・



「竹内〜!」



廊下から呼ぶ声に思わず顔を向けてしまった

あれはテニス部の小原だ。レギュラーではないもののとても気が利いて信頼は厚い

***は楽しそうに笑いながら彼とどこかへ向かった

俺の中で***の存在はどんどん大きくなっていく・・・

でも***は違うんだね



「昼休みは視聴覚室で文化祭の打ち合わせがあるそーじゃ」



どうやら仁王は彼女に伝言を頼まれたらしい



「そう・・・」



俺は短い返事を返した



「・・・***は鈍感じゃけ、幸村も大変じゃの〜」



楽しそうに笑う仁王には絶対零度の微笑みをプレゼントした

案の定、彼はその場に凍り付いた

俺をからかうからだよ・・・



「あれ?藤島はクラブの進捗報告会議いかないの?」



隣の席に座るサッカー部部長に聞いてみた



「今日は実行委員が都合悪いらしくて放課後なんだ」



俺はなんだか嫌な予感がして視聴覚室に向かって走りだした
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