新聞部の憂鬱

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「<ヒソ>ほら、あの人だよ<ヒソ>」

「<ヒソ>まぁまぁかわいいけど・・・結構普通だね<ヒソ>」


耳に届く言葉は私の心に少しずつ鉛を落としていく
彼である“跡部景吾”が高等部に入学してからというものよく耳にするようになった陰口・・・
入学してすぐ景吾が私を“恋人”だと宣言した日から始まった
景吾が念押ししたこともあって直接的な嫌がらせは存在しないけれどそれでも胸に刺さるような事件は存在する
人の使う言葉は時には凶器にも姿を変えてしまう
例え本人にその気がなくても捉える私にとっては―――
他人は勝手に言わせておけという強気な景吾はやっぱり私と住む世界が違うのかもしれない・・・


「オイ、***!!!」

「ほえっ?」


急に声をかけられて驚いた私はすっとんきょうな声をあげていた
ところで3年の教室にどうして彼がいるのか・・・
わざわざ騒ぎを大きくしなくてもいいのに?なんて思いながら彼を見上げると


「会いたかったから会いに来た。文句あるか?」

「景吾・・・」


景吾の愛情表現はすごく真っ直ぐで私のことを大切にしてくれていることはわかっている


「***、お前は俺の言葉だけを信じてろ」

「・・・そうだね」


景吾の言葉に何かが吹っ切れたのか、私は久々に心からの笑顔を見せられた気がする
そんな私を見て微笑む景吾に


「元気になったな・・・」


私は何も言えなくなった―――



+ END +
********


(お前のことなんてわかりきってるんだよ)

(景吾・・・)

(この先、何があっても俺様から離れるなよ!!)

(―――うん)



2010.9.4

 

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