新聞部の憂鬱
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「・・・木陰に座る?」
+++に言われてさっき木陰で私の身に起きたイヤなことを思い出した
よく考えると・・・随分と生意気な中学生だ
いきなりキスしてきて謝りなし
ここは日本だ!思い出しても腹が立つ!
いけない・・・アレはなかったことにするんだった
「***?何があったの?」
自分の中にしまい込むって結構大変なことで・・・
誰かに聞いてほしくなる
・・・私の周りでさっき起きた誰にも言えない話を聞いてください
「―――ってことがあったの」
+++も驚いていた
私も信じられないよ。消し去りたい過去だもの
「でも+++に話して少しスッキリした。もぅ考えないことにする」
「***・・・」
「あっ!休憩みたいだよ」
マネージャーらしき女の子がドリンクとタオルを配り始めたようだ
(跡部景吾ってどの人なんだろう・・・)
さわやかで優しい青少年だろうな
と想像していると後ろから+++に声をかけられた
「***!侑士が連れてきてくれたよ」
忍足くんの後ろにいる人が“跡部景吾”なのね
「はじめまして。高等部の******です」
・・・えっ???
なんでキス魔がここに―――
ま、まさか・・・
「テニス部部長の跡部景吾だ」
最悪だ!!!
+++は隣で忍足くんに大会の日程を確認していた
「さっきぶりだな・・・」
また思い出してしまった。
この余裕な態度にもなんだか腹が立った私は幼稚な返事をした
「なんのことですか?はじめまして。跡部さん」