保健室のお姉さん
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「はぁぁぁぁぁ・・・」
高校の正門前で大きな大きなため息をつく私
ここのところ本当についてない!
1ヶ月前に彼に振られて
2週間前、勤めていた会社が呆気なく倒産して・・・正社員から無職に転じた私
初詣の厄払い・・・効果なし?
勤めてた会社は業界内でもそれなりの大手だった。
世間の驚きもずいぶんで
倒産から少し経った今もニュースやワイドショーで名前を耳にする
テレビ越しに映るあの本社ビルが懐かしい・・・
無職になってしまった私はこれから次の職を探す予定
―――だった。
だったのに昨日!!
――――――
――――
――
―
『***!明日から友人の経営する学校で1年間だけ働いてくれ』
お・父・様??
・・・いきなり何を?
『私、就職活動できなくなるんですけど?』
『産休に入る保健医がいてな、切迫早産で予定より早く産休に入ることになったんだが・・・』
それなら臨時で雇う人を前倒しにすればいいんじゃない?
『人が見つかっとらんようだ。***、お前は確か養護教諭の免許もあっただろう?頼んだぞ!』
そう言い残して父は私の部屋から出ていった。
確かに養護教諭の免許はあるよ?
あと数学と英語の教員免許も・・・
私、大学時代がんばってたな〜
じゃなかった!!
今はそんなことより・・・
さっき言った父の言葉
(夢だったのだろうか?)
そう自問自答していると・・・
《コンコン》
部屋に入ってきたのは執事
彼は丁寧に頭を下げると紙切れを残してすぐに部屋を出た。