保健室のお姉さん

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少しだけ、

ほんの少しだけ期待して・・・

2年2組の教室に扉を開けた。



でも・・・

僕が探している彼女の姿はどこにも見当たらなかった。



少し肩を落としながら英二と一緒に適当な席をみつけて座った。

耳を澄ましても転校生がくるという話題は聞こえてこない・・・

ちゃんと彼女を見つけることはできるのだろうか?



そんな僕の思いに気付くことなく話しかけてくるクラスメイト

“同じクラスで嬉しい”

“テニス部の試合、今度みんなで応援しに行くネ”

いつものように適度に会話していると・・・



『始業式が始まるので講堂に移動してください』



校内放送が流れてきた。

彼女達は残念そうに僕達のそばから離れていった。

(ちょっと助かった・・・)

中学の時から常に注目されてきた僕達テニス部

最初はイヤでイヤで仕方がなかったのに今では何とも思わない・・・

慣れって怖いものだね。



「不二!講堂に行くにゃ」

「そうだね」



僕は講堂に行く途中、少し先に手塚を見つけた。

どうやら隣のクラスらしい

そんな彼に思わず聞いていた。



「手塚のクラスには転校生来てないの?」

「・・・この前の彼女のことか?」



“そうだよ?何か悪い?”

とでも言うような表情を僕は手塚に向けた。



「始業式に出れなくなるからやめてくれ。・・・クラスに転入生がいるとは聞いていない」



ため息混じりに手塚は答えた。

青学はクラスが多い・・・

しばらく見つけることはできないのかな?

でも必ず見つけるから―――

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