保健室のお姉さん
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入学式を終えた新入生はすでに講堂に座っていて・・・
在校生を待ち侘びていた。
その中に少し緊張した桃城や海堂の姿が目に入った。
(フフフ・・・面白い顔。後でからかおうかな?)
僕も英二の隣に座って始業式の開始を待っていた。
こういう場所ってどうして眠くなるんだろうね?
僕は目を閉じて夢の世界に少しだけ旅立っていた。
――――――
――――
――
―
「おはよ!不二」
「英二・・・」
意識を戻した頃には校長先生の話も担任の発表も終わっていた。
「・・・続いて新しく赴任された先生の紹介です」
教頭先生の声とともに見慣れない数人の人が壇上に上がった。
僕は目を疑った―――
手塚・・・
彼女は
どうやら教師だったみたいだね
「産休の島本先生に代わり保健医をします******です」
(******さん・・・)
僕は心の中で名前を繰り返し確認していた。
「保健室自体はあまり利用する機会がない場所でしょうが・・・気軽に声かけてくださいね」
そう笑顔で言う彼女
そんなの―――僕は毎日でも会いに行くよ?
「1年間の期限つきですがよろしくお願いします」
講堂のあちこちから、
“綺麗な先生”
“俺、保健室いこ〜”
“1年だけ?”
いろんな声が聞こえていた。
「あ〜ぁ、***先生は人気でそうだね?不二は大変だにゃ」
イタズラな表情を向ける英二
・・・気付いてた?
「男子テニス部の副顧問もさせていただきます。お願いします」
《パチパチパチ》
普段、新しく赴任された先生に拍手が送られることはない。
ライバルは多そうだ―――