保健室のお姉さん
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始業式のあと保健室に戻って書類整理をしていた私
しばらくは物の位置がわからなくて仕事の手際は悪くなりそうだ
(仕方ないかぁ・・・)
でも、なるべく早く慣れなくちゃ
《コンコン》
「ハイ!どうぞ〜」
保健室に入ってきたのは始業式の前にサボりに来た
生意気少年・越前リョーマだった
「***先生、バンドエイドちょうだい!」
見ると越前君の膝からはかなりの量の血が流れていた。
私は急いで消毒液と脱脂綿を持ってきて傷口に塗り付けた。
「クラブ配布分の応急セットまだ届いてないみたい。ごめんね」
青学のテニス部、野球部、サッカー部は部員数も多いらしくてクラブ毎に応急セットを配布しているようだった。
「仕方ないから我慢するっす!」
“ハイ、どうも”と適当な相槌をうって仕事に戻ることにした。
治療が終わったのに越前君はなぜか戻る気配がない・・・
「また、捜されちゃうよ?えっと・・・堀尾くん?だっけ」
「今回は治療って言ってきたから大丈夫っすよ」
「うーん、その治療ならすでに終わりましたけど?」
まだ戻りそうにない越前君を少し睨み付けたのに
「知ってるっす」
彼は素知らぬ顔・・・
しかも―――謎の発言!
「・・・リョーマって呼んでよ?」
「えーと、リョーマ・・・君?早く戻りなさい」
私はにっこり笑顔で保健室から彼を放り出した。
彼の後ろ姿を見てため息1つ
「生意気な少年だった・・・」