保健室のお姉さん
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周助君は好きな人がいるからと断っていた。
その言葉を聞いた私の胸は悲鳴をあげていた・・・
それは、由美子の弟だから?
―――違うかもしれない
私は・・・
周助君が好きなのかもしれない
出会ったばかりなのに?
友達の弟なのに・・・
10歳近くも年下なのに―――
准一先生とコソコソ話してるとカーテンを周助君に開けられた。
とても冷静に准一先生と話す彼
なんだか兄弟喧嘩を見ているようだけど・・・
私は我に返って仲裁に入った。
――――――
――――
――
―
「ねぇ先生、おやつないの?」
えーと・・・
確か中学生は始業式が終わって今頃は各教室でHRのはずだけど?
「リョーマ・・・くん?」
「おやつがないなら、ファンタでもいいよ?」
「さらにあるわけないでしょ!先生のおやつあげるから早く教室に戻りなさい」
今朝、机の中に入れたキャンディーをリョーマ君に手渡した。
「イヤだよ!面倒くさい」
「なっ!」
私・・・教師なんですけど?
教師の忠告を“面倒くさい”で片付けてしまうの?
なんて中学生だ・・・
「今から戻っても遅いし部活が始まるまでここにいるよ」
保健室をサボり場所にしないで
そう言って放り出す元気は今残っていなかった・・・
諦めた私は自分の仕事に取り掛かることにした。
(あっそう言えば・・・)
「中学生もGWに合宿あるの?」
「中学生は夏休みと冬休みだけっスけど?」
そうなんだ・・・
「中学の顧問も***先生がしてくれたらいいのに」
「イヤイヤ、私テニスは趣味程度なんでムリです」