保健室のお姉さん

□11
1ページ/5ページ

「***先生大丈夫ですか?びっくりしましたよ!」

「今日はムリしないでください」

「ごめんね?ありがとう」



朝からたくさんの人に心配されてしまって―――

すごく申し訳なくて心の中でため息をひとつ



「***って保健室の番人なんじゃねーのかよ?」

「景吾・・・その通りです」



自分が保健医なのに倒れてしまったことを思い出してしまって

さらにため息ひとつ追加

もちろんみんなにはバレないように心の中でね・・・

それから―――



「今日は肝試しだな!」

「ここの裏山って本気で怖いんだよな〜」



肝試しを楽しみにしているみんなの顔を見て

今日一番、大きな大きなため息を心の中でひとつ



私がスタート地点で・・・1人になることはないよね?

それか陽がおちる前にしてくれたら全然問題ないんだけどな



「***先生は肝試しに出ないのですか?」

「幸村君・・・引率者はスタート地点で待機してるよ!何かあったら連絡もらえるように」



そのスタート地点に“出る”らしいんだけど



「フフフ・・・名前覚えてくれたんですね。ありがとうございます」

「人の名前覚えるのは得意だよ」



教師だからというか・・・

昔から両親について社交の場に出てたおかげかな?



***財閥の娘っていうだけで挨拶してくれる人の数が多くて・・・

自然と覚えなくちゃいけなくて身に付いた特技

ありがたいんだかあんまりありがたくないんだか・・・

次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ