保健室のお姉さん

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・・・。

本当に誰もいない―――



風の音しか耳に届かなくて

恐怖を抑えきれなくなった私はぎゅっと瞳を閉じた。



“誰か早く戻ってきて!!”

みんなが消えた暗闇に向かって呟いてみるものの

当たり前だけど返事はこなくて、返ってくるのは不気味な木々の騒めきだけ



時計の針はまださっきから5分しか進んでいない・・・

まだまだ誰も来ないよね?



「はぁ・・・」



私は恐怖で立つことさえもできなくて体育座りをして自分の足に顔を埋めた。

そのとき・・・

肩に何かの気配を感じた。

(んっ!??)



私の手は足の上だし

立海の生徒達が戻ってくるにしたら早すぎる・・・

青学の生徒達が忘れ物で戻ってきたのかな?



いや・・・

それならもっとザワザワしてたりするよね?

っていうことは―――



(オ・バ・ケ??)



そう頭の中で考えが固まってしまうと・・・

体が固まって動かない。



「オイっ!」



私、今―――オオオ・・・・オバケに話し掛けられ??



「き・・・」

「き??」

「きゃぁぁぁぁぁぁぁ!」



私はありったけの声をあげた。

それはもう山に響き渡るくらい?



《ぎゅっ》



え?

半泣き・・・というか泣いてる私を抱き締めてるのは

准一先生だった―――



「・・・叫びすぎ」



いやいや、准一先生が驚かせすぎなんですけど・・・

私の心臓はありえないほどの鼓動を波打っていた。

そして、

腰が抜けて・・・立てない。

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