保健室のお姉さん

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ガキンチョに恋!???

・・・えぇ、その通りです

ズバリと言い当てられて口に含んだビールを吹き出しそうになった



そんなに分かりやすいの?

私の態度って・・・

相変わらずな美保の洞察力には驚いた。



教師と生徒は世間では禁断の恋

いくら私が期間限定の保健室のおばさんだといえどそれは同じ

私が何も言えず俯いていると・・・



「禁断なのは1年だけよ」



彼女は笑って私にデコピンをくらわした。



「・・・ありがとう」



それから“禁断の恋”の相手を聞かれるわけでもなく

美保の上司の愚痴や新作の化粧品の話・・・

本当にたわいない話に私達は花を咲かせていた。



“ラストオーダーです”と告げられた私達は最後にビールをお願いした。

さっきまで話続けてた私達の間に起こる沈黙の時間

美保との間にできるこの時間はとても居心地がいい



彼女も同じ気持ちでいてくれてるようで・・・

目が合うとお互いに微笑んだ。



「あっ!いけない・・・忘れるところだった!!」



そう言いながら鞄をごそごそと漁る彼女

私は頭にハテナを浮かべながら次の言葉を待った。



「あった!ハイこれ」



そう言って渡されたのは



「氷帝の・・・学祭?懐かしい!」

「今年はOBとOG集めてイベントやるみたい」

「もしかして美保・・・」

「そっ!後輩に頼まれて実行委員もどきだよ〜」



面倒くさいって言いながらも楽しそうな美保

大学時代、学祭の実行委員で走り回る彼女の姿を思い出した。



「期待してるよ!頑張ってね」

「当たり前よ!」



私達は顔を見合わせて笑った。

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