保健室のお姉さん
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「あっ、私そろそろ行くね」
時計を見ると景吾との約束の時間まであと数分
遅刻なんてしたら・・・
想像しただけで恐ろしい。
「待ち合わせか?」
「ハイ!」
現役高校生と。なんてことは言わないでおこう・・・
「夜はこの近くで飲み会あるけどどうする?」
明日は学校だし・・・
このメンバーだと確実に朝までコースだよね?
「美保と合流して確認したら連絡します〜」
そうとだけ言うと私は急いで走りだした。
***が走り去ったあと准一へ哀れみの表情を向ける人達
「先生かー。人気あるんじゃねーの?なー、准一」
「めちゃくちゃあるぜ?」
「相変わらず准一も大変だなー」
「フラれたけどなー」
「「「えぇぇ!」」」
サークル内で准一の気持ちは周知の事実だったのだ
――――――
――――
――
―
みんなと別れたあとはひたすら走っていた。
呼び込みの子達にちらしを押しつけられながら・・・
ちょっとゆっくりしすぎてしまったかな?
「ご、ごめんなさい!」
約束の場所で待っている景吾に勢いよく頭を下げた。
怒られる!!そう思って頭を上げると・・・
呆れたように私を見る景吾
「呼び込みされすぎだな。相変わらずお人好し・・・」
そして私がもらったちらしを奪って笑う彼
彼の人気がある理由・・・
少しだけ理解できるかも
景吾の案内でまずは食堂に行くことになったけど・・・
周りからの視線が痛い
そりゃ生徒会長でテニス部部長、ファンクラブまである完璧な景吾だもんね
そんな人が女の子・・・おばさん?連れてたら見たくもなるよね。
景吾は見慣れられてるから普通なんだろうけど・・・
私は違うんですけど?
少し離れて歩こうかな?
とペースダウンしたら・・・
《ガシッ》
「俺様から離れるな、確実に迷子だぞ!」
しっかり手を繋がれた。
そのリードに少なからずときめいた私
顔が赤くなってなきゃいいけど