保健室のお姉さん
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1年って早いなー
青学に来たのもついこの前だと思ってたのに・・・
あっという間にもう3月
教師生活にも幕を下ろす時期がやって来たんだね。
また就活始めなきゃ・・・
少しセンチメンタルになっていると机の上の内線が音をたてた。
《PuLuLuLu・・・》
「はい、保健室です」
「***先生!理事長がお呼びです」
「ありがとうございます」
理事長が?
周助とのことはたぶんバレてないはずだから・・・
任期満了のお知らせかな?
私は入口に不在の看板をたてて理事長室に向かった。
――――――
――――
――
―
「失礼します」
中に入るとおじさまと・・・
「お、お父様!??」
どうしてここに?
私は予想外の人物の登場に驚いていた。
「実は仕事で近くまで寄ったから理事長に会いに来たんだ」
「とか言って・・・***ちゃんが心配みたいだな」
おじさまは楽しそうに父をからかっていて・・・
それに焦る私の父
いつも私が見る威厳だらけの父はここにいなくて・・・
思わず吹き出してしまった。
《コンコン》
「失礼します」
そう言って入ってきたのは
私の大切な人―――
「ふ、不二君?」
頭の中はパニックだった。
(ど、どうして???)
うろたえる私をよそに堂々と隣に立つ周助
私は言葉を呑み込んだ。