保健室のお姉さん
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さっきまでの楽しそうな2人はいなくて・・・
「さて、2人を呼んだ理由はわかるよね?」
眉間にシワを寄せた理事長が静かに話し始めた。
隣にいる父もどこか機嫌の悪そうな顔つき・・・
“2人を呼んだ理由”
バレてるの?
私は何も言えなくて・・・
下を俯いてしまった。
(どうしよう・・・)
私はいいけど周助が被害を被ることは避けたい。
そう思うと口が自然と開いた。
「不二君はテニス部部員で私は副顧問です」
隣にいる周助の顔が見えなくて
彼の反応はわからない。
でも一度開いた口は止まらなかった。
「大学時代の友人の弟さんですが贔屓をしたことはありません」
私は周助の目にどんな風に映っているのだろう?
そう思っていると・・・
「***のお父様ですね?2年の不二周助です」
彼はあろうことか父に向かって自己紹介を始めた。
(えっ!?)
私の父の顔を知ってたの?
じゃなくて・・・
ななな、何を言うつもりなの?
「***さんとは将来を考えて真剣にお付き合いさせていただいてます」
(えぇぇぇぇぇ!!!)
隣にいる周助は胸をはって言い放った。
ちょっと嬉しいな・・・
なんて照れてる場合じゃない!