保健室のお姉さん
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えーと・・・
こういう場で私はどうすればいいのでしょうか?
何も言わずにキッと睨み合い続ける男が2人
周助の宣言からどれくらい時間は経ったのだろうか?
永遠の時間に思えた―――
そんな中、
「クククク・・・」
えっ笑い声??
「お父様!??」
私は自分の目を疑った。
父が自分から周助に握手を求めていたのだから・・・
「***の選ぶ男に不安はないが・・・年齢が若くて多少心配だったんだ」
周助は綺麗な笑顔で握手に応えていた。
(何?和解・・・?)
それじゃさっきのはわざとなの?
私の頭は混乱していた。
「周助君に会って安心した。不束な娘だが・・・頼むよ」
お父様・・・
「もちろん大切にします」
そう言うと彼は私を抱き寄せた。
「お父様?あのー・・・」
「お前が選ぶ男に心配はしてないよ!今度ご飯でも行こうか」
そう言って去っていった父の背中は少し淋しそうだった。
「***ちゃん、おめでとう」
そう言ったのは理事長
「あ、ありがとうございます」
頭が真っ白な私はそう答えることしかできなかった。
「あっ来年から***ちゃんは数学の教師だから」
書棚に本を戻しながら理事長が軽く発した言葉
(え、えっ!?)
今の言葉は気のせい・・・?
「・・・空耳、かな?」
「***、違うみたいだよ」
周助君にもはっきりと聞こえていたようだった。