Prince of Tennis

□if・・・会社員編
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「***さん・・・大丈夫ですか?」

「?・・・あ、あれ・・・私・・・」

「ほんの少しだけ眠られていましたよ」


カウンター越しに微笑むオーナー
彼が持つ独特の空気感で外と遮断されたような気持ちになれるこのお店が大好きだ
気忙しく仕事に追われていたさっきまでとは違った時の流れ・・・


「ご、ごめんなさい。もしや、終電・・・?」

「そうですね、そろそろ」

「ありがとう、オーナーさん。お会計お願いします」


通いなれた場所とはいえお店で寝てしまうなんて・・・
何度目かの失態に少し顔を赤くして外へと続く扉を開けた
オーナーさんとたくさんの言葉を交わしたわけではないけれど、ここでの私は会社で見せる私とずいぶん違う人だと思う
(会社の人に見られたら驚かれそう)
心を落ち着けるため時間が許す限りお店に足を運んで一息してから家に帰るようにしていた


「あっ・・・綺麗なお月さま・・・」


彼と別れたあの日と同じ―――
思い出してしまったのはさっき少し眠ってしまった時に昔の夢を見たから・・・“私は大丈夫”握りこぶしを胸に駅へと急いだ

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