貴方が望むその先に

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オーナーの質問はストレートで
今まで胸の中にあったモヤが一斉に晴れていった気がする


「会い、たい・・・です。奏太に」

「じゃ、手伝ってやる。この喫茶店はいろんなヤツが出入りしてるから」

「・・・ありがとうございます」


その日から週に何度か通うようになって、今は常連さんの1人
オーナーのコーヒーを飲むとなんだかほっとする・・・
(口はすごく悪いけど!!)
大丈夫―――私は、そう言われてる気がするんだ



――――――
――――
――



「スッカリ暗くなっちゃった〜」


思わず聞き込みに熱が入って気付けば辺りは夕焼け・・・
少し眩しくて瞳を閉じれば、思い出すのは貴方との時間


『夕焼けって寂しいよね』

『寂しい?』

『ほら・・・みんなさよならする時間でしょ?』

『ふ〜ん、葉月って案外寂しがり屋なんだ?』

『そ、そんなことないよ!!』

『大丈夫だよ。俺は何があっても葉月の傍から離れない』

『・・・うん』


「な〜にが離れない。よ!こんな場所に一人にして・・・」


零れそうになった涙を スッ と拭って駅に向かって駆け出した

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