貴方が望むその先に

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「朝―――だ・・・」


大きなベッドで寝たくない!
なんて思ってたのに自分でも驚くほどの安眠を手に入れていた
昨日は何も考えず疲れてたからすぐ寝ちゃったけど・・・
起きてからずっと頭の中でリフレインされ続けている彼の“さようなら”という言葉
駅前で見た彼はもしかして夢だったのだろうか?
いやいや、一生を共に添い遂げる約束をした彼を私が見間違えるなんてありえない!
でも・・・
人違いだと思いたくもなる
ため息をつく私の耳に届いたのは扉を コンコン と鳴らす音
気持ちに比例した重い腰を仕方なくあげて扉を開けた


「おはようございます。昨日は眠れましたか?」

「あっ・・・はい」


何が起きてるのかいまいち理解できないまま私はワゴンを運ぶベルボーイを部屋に招き入れた


「玖蘭様からの差し入れです」

「く・・・らん?」

「ハイ。それでは準備させていただきますね」


テキパキと動く目の前の人に感心しながらも意識は別の場所へ・・・
“くらん”って枢さんのこと?
面識のない私にどうして?

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