貴方が望むその先に

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この町で偶然にも奏太を見たあの日からもう2年・・・
今も見つけることはできないまま
2人で借りた部屋を解約できなくて、いつかまたあの部屋に2人で・・・
そう願って今は私の一人暮らし
仕事は奏太を見た町に変えて、毎日終電まで駅で待ち続ける日々・・・
きっと名物になってるよ、私
この2年という歳月は早いのか遅いのか―――私にはわからない
気付けば経っていた時間
今でも脳裏にくっきりと浮かび上がる貴方の太陽のような笑顔
奏太・・・どこにいるの?
会いたいよ・・・
急に私の前から姿を消した理由をちゃんと教えて?



――――――
――――
――



「・・・くしゅん」

「こんなところで寝てたら風邪ひくよ。それに終電、行ったよ」

「あっ・・・駅員さん・・・。寝ちゃってましたね、私」

「こんな健気な恋人を待たせる彼に会ってみたいよ」

「今度・・・紹介しますよ」


駅員さんとも最近は仲良し
やっぱり私・・・名物かな?
終電がなくなってホテル探しに翻弄したのはあの日だけ
終電に乗り過ごした日はあの日泊まったホテルに宿泊
もちろんあんなにも広い部屋じゃなくて一般の部屋で
そういえば枢さんとはあれから一度も会っていない
(元気にしてるのかな?)

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