貴方が望むその先に

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「あれ・・・ココは?」


重たい身体を起こしてみれば見覚えのない天井に部屋
何が起こったのか―――
記憶を手繰り寄せる努力をすれば経験したことない頭痛が襲ってきた
鮮明に思い出される昨日の出来事
夢・・・だったのだろうか?
あれは奏太に会いたいが故に私が創りだしてしまった幻想?
そうであればいい・・・
そう自分に言い聞かせて胸に手をあてれば シャラリ と何かが音をたてた
見覚えのないネックレス―――


「奏太・・・っっ!!!」


昨日の出来事は夢なんかじゃなくて現実で・・・
そう思えば身体が震えだし、涙は止まらなくなった

《ガチャ》

“記憶を消さなければならない”その言葉を思い出して開いた部屋の扉を恐る恐る見上げれば


「えっ・・・」

「目が覚めたか?少し飲むか?」

「・・・ハイ。・・・ありがとうございます」


差し出された水を ぐいっ と一気に飲み干した
想像もしていなかった人の登場に驚きながら・・・
そして
何も言わずにハンカチを ぐいっ と押し付けてきたオーナー
不器用な優しさがなんだか妙におかしくて、気付けば震えは止まっていた

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