貴方が望むその先に

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「そうそう!理解できてるよ」

「葉月さんの教えかたすごく分かりやすい〜零とは大違いだ」

「こらこら・・・」


テスト前になると優姫ちゃんの臨時家庭教師・・・零先生が出現するんだと理事長さんに聞いたところ
いつもケンカになって・・・最後まで勉強は終わらないんだとか


「だいたい零は短気なんだよ」

「ふふ・・・怖い顔してるけど、すごく優しいよね」

「まぁ、面倒見はいいかな?」

「それは優姫ちゃん限定だよ」


この学園に来て2人を見てるとやっぱり“恋人”じゃないかな?と思う
口に出さなくてもある互いの信頼
それこそ“恋人”という括りなんかよりもっと強い結びつきなのかもしれないけど・・・


「まっ、優姫ちゃんには好きな先輩がいるんだもんねー」

「なっ、なんでそれを!!!」

「葉月ちゃんの観察力を舐めないでよ〜」


顔を真っ赤にして懸命に否定する優姫ちゃんがかわいくてついついからかいたくなる


「・・・葉月さん、先輩は私を助けてくれた大切な人なんです」

「大切な人・・・なんだね」

「葉月さん・・・には言っちゃおうかな〜〜あっ、内緒ですよ。先輩は・・・夜間部のクラス長兼寮長なんです」

「夜間部・・・の?」


頬を赤く染めてその人のことを思い浮かべてるだろう優姫ちゃん
(寮長さんってもしかして・・・)
優姫ちゃんのことを応援したい気持ちでいっぱい・・・だけど彼は、
私の最愛の人を―――

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