貴方が望むその先に
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― 一条拓麻 side ―
Level Eを粛清する現場に居合わせた彼女
彼女から記憶を消すために追いかけようとした僕を止めたのは枢
なぜそんなことをするのか?僕は彼女に少しだけ興味を持った・・・
そんな彼女が黒主学園に現れて驚いていたのはきっと僕だけじゃないはず
枢だって―――
それでも彼女は夜間部に接触するわけでもなく、ただ僕達が彼女のことを見つめる日々
「拓麻様どうかされましたか?」
「いや・・・何もないよ。僕どこか変だったかな?」
「ち、違います!さっき笑ってらしたので・・・」
「ふふふ、まぁね」
瑠佳にそう言われて彼女を追っている自分に気が付いた
さっきから校舎をうろうろ動き回る葉月さん。僕の席からよく見える・・・
約束の時間には少し早いし忘れ物でも探してるのかな?
「瑠佳・・・枢が戻ったら先に寮に戻ると伝えて?」
「はい」
元老院に用事ででかける枢
なぜ彼がいない今、接触しようとしてるのか―――
胸の気持ちはわからないまま廊下に出て扉を閉めた