貴方が望むその先に

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わけもわからず飛び出した私を待ち構えていたのは


「葉月さん・・・」


心配そうな表情を浮かべる拓麻くん・・・
それから―――明らかに怪訝な顔を私に向ける夜間部の生徒達
(居心地、悪い・・・)
急いで階段を降りる私の前に立ち塞がったのは、拓麻くんの傍で何度か見かけたことのある男の子
明らかに感じる敵意―――
拓麻くんの焦った顔を瞳の端に捉えながらイライラの矛先を彼に向けた


「そこ、通れないので寄っていただけますか?」

「お、お前っっ!!」

「おい英、止めておけ・・・」

「こんなヤツ!!」


そう言って私に手をあげようとした彼のことを止めたのは―――


「藍堂・・・彼女は僕の“トクベツ”だから手出しは許さないよ?」

「・・・はい」


さっき私が逃げ出してきた彼
階段を優雅に降りる枢さん
彼の言葉にどれだけの威力があるのかはよくわからないけどひしひしと感じられた敵意は少しだけオブラートに包まれた
枢さんはもしかして・・・
“夜間部の寮長?”“先輩?”
―――優姫ちゃんの想い人?

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