貴方が望むその先に

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名残惜しそうに唇を離せば
枢に手首を掴まれて―――


「・・・奏太さんの所?」

「かっ、かなめ・・・」


驚く私に枢は少し表情を歪めた
掴まれた両腕にはさらに力が加わって私は不安になった


「っ!!痛い・・・離して・・・」

「僕が・・・君からこの手を離すとでも?」


さっきとは違う荒々しい枢の唇が私の唇を奪った
(んんっっ!!!)
さっきよりずっと荒々しいキス
でもそれは心地よくて・・・
私の頭は何も考えられなくてただ枢のことを受け入れていた
足に力が入らなくなって床に膝をつこうとすれば
枢にギュッと抱き締められた


「ごめん・・・」

「どうして―――謝るの?」


キスされて謝られるなんて・・・
私の胸に不安が広がった
すると枢は くすり と微笑んで


「・・・嫉妬したのは僕の方・・・奏太さんの所に内緒で行かれるのは、ちょっと、ね」

「枢―――気付いて・・・」

「葉月の事はいつもよく観察してるからね」

「人をヘチマみたいに・・・」


大きく腕を振り上げれば簡単にその腕は掴まれて―――
再び唇が重なった・・・



********

(これからは僕も一緒に行く)

(えっ、)

(何か言いたいことでも?)

(・・・奏太、泣いちゃうかな)

(いや、笑ってるよ[クス])


2013.8.25

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