貴方が望むその先に
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名残惜しそうに唇を離せば
枢に手首を掴まれて―――
「・・・奏太さんの所?」
「かっ、かなめ・・・」
驚く私に枢は少し表情を歪めた
掴まれた両腕にはさらに力が加わって私は不安になった
「っ!!痛い・・・離して・・・」
「僕が・・・君からこの手を離すとでも?」
さっきとは違う荒々しい枢の唇が私の唇を奪った
(んんっっ!!!)
さっきよりずっと荒々しいキス
でもそれは心地よくて・・・
私の頭は何も考えられなくてただ枢のことを受け入れていた
足に力が入らなくなって床に膝をつこうとすれば
枢にギュッと抱き締められた
「ごめん・・・」
「どうして―――謝るの?」
キスされて謝られるなんて・・・
私の胸に不安が広がった
すると枢は くすり と微笑んで
「・・・嫉妬したのは僕の方・・・奏太さんの所に内緒で行かれるのは、ちょっと、ね」
「枢―――気付いて・・・」
「葉月の事はいつもよく観察してるからね」
「人をヘチマみたいに・・・」
大きく腕を振り上げれば簡単にその腕は掴まれて―――
再び唇が重なった・・・
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(これからは僕も一緒に行く)
(えっ、)
(何か言いたいことでも?)
(・・・奏太、泣いちゃうかな)
(いや、笑ってるよ[クス])
2013.8.25