貴方が望むその先に
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「葉月先生」
「えっ、・・・ハイ?」
「疑問形で返事ですか?」
「あ、私・・・教師じゃないので」
そう、私は事務員です―――
目の前にいる確か国語担当の谷村先生は少し笑っていた
(変な人って思われてる!?)
「じゃぁ、葉月さん」
「?はい」
「金曜日、テストの打ち上げがあるんだ。参加どうかな?」
「テストの・・・ですか?」
テスト作りにも携わったわけではないのに参加するのは・・・
そう言って断ろうとすれば先生は相変わらずクスクスと笑いながら“教師じゃないけど、葉月さんもどうぞ”と誘ってくれた
(わ、笑われてる!?)
「成績があがった何人かの生徒に聞きました。事務職の優秀な家庭教師がこの学園にはいると・・・」
「ゆ、優秀!?それはみんなが頑張った結果で・・・」
「問題のレベルは変わってないのに平均点があがったのは小さな塾がこの学園で開かれたからだと思いますよ。葉月さんありがとう」
「あ、いいえ―――」
褒められて悪い気持ちになる人はいないと思う
思わず笑顔がこぼれた