ONE PIECE
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まだ終わりそうにない+++を待つことにして私が向かったのは社内食堂
彼女と私の指定席とも言える場所へ足を進めた
観葉植物に囲まれていい具合に隔離されたここはお気に入りスポット
他の場所に比べてふかふかのソファー
出入口から遠いせいかここに座る人はいつもいなくて今日も貸し切り状態
(冷暖房も適度で快適だし・・・なんで人気ないんだろう?この場所)
明日からの休みに想いを馳せながら ぺらぺら と手帳を捲る私の頭上から
「***・・・」
ここ毎日、夜に鳴る着信相手の声が降ってきた
(イタイ・・・胸が イタイ)
痛む胸を押し殺して精一杯の笑顔を見せた
「お、お疲れ様です」
「***・・・誤解なんだ」
「私なんと明日から10連休なんです。秘書課に―――いたときは考えられませんでしたよ。配属転換ラッキーでした」
「***・・・」
「お先に失礼します」
軽くお辞儀をしてその場を立ち去ろうとすれば
大きな手に阻まれて私のことを胸の中へ閉じ込める彼
「***・・・話を聞いてくれ」
「っ!!!」
わかってる―――
私のことを今も想ってくれる彼
でも私は、
「ごめんなさい・・・強くなれなくて」
そう呟けば拘束していた腕の力が弱くなってその隙をついて抜け出した