ONE PIECE
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周囲の視線に目をくれることもなく真剣に本と向かう少年の邪魔になってはいけない・・・と別の場所に移動することにした
見た目よりずっと座り心地のいい椅子しかないこの場所は自分の世界に浸りたい時にはうってつけの場所だったりする
読み始めたのは少し前に流行って映画化もされた魔法使いのシリーズ
(これもある意味異世界?)
――――――
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――
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「あっ、もうこんな時間・・・」
本の世界にのめり込んでいたようで意外と時間は経過していた
(そういえばまだお昼、食べてない・・・)
少年がいる方へ視線を向ければ
「い・・・ない?」
図書館の中をうろうろして捜すものの少年の姿は見当たらない
机には無造作に広げられた本
その内容に驚きながら・・・
(医学書・・・?しかも専門家向けのとか・・・ローくんって何者?)
というか本が開かれたままいないっていうことはまさか・・・
「元の世界に戻れ「ちげーよ」
「・・・どこ行ってたの?」
「チッ、お前こそどこにいた?」
質問に質問で返されてしまって不服な顔をして少年を見れば
少年は少し息を切らしていて、額にはうっすらとした汗
もしかして―――
「わ、私のこと・・・捜してた?」
「急に・・・いなくなるな」
「ローくん・・・ごめんね」
そうだね
今この世界で少年の知り合いはたった1人、私だけ
10歳だもの。不安になるよね・・・
「ねぇ、ご飯食べに帰ろっか?」
「―――あぁ」
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(えっ、マンション登ったの?)
(鍵はお前だろ?)
(・・・ローくんほんとに何者?)
(俺は海賊だ)