ONE PIECE

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「お前、仕事は?」


有給休暇6日目
どうやら彼はこの世界の常識を理解しつつあるようです
年上(私限定?)に対する言葉遣いは相変わらずですが・・・


「特別のご褒美で長いお休みもらってるんだよ」

「有給休暇ってやつか?」

「スゴイ・・・そんな言葉どこで」


少年の口から出てきた言葉に驚けば見せられた本の表紙にさらに面食らうしかなかった
“就業規則と法律”―――
(その本を手に取った理由がすごく聞きたい・・・)
少年は朝起きればすぐ図書館に行って一度お昼を食べに戻ってきて、それからまた夕方まで大量の本とにらめっこ・・・
ときには夢中すぎて食事をしない日もあったり・・・本当に勉強熱心だ
私の薬を調合してくれたり、専門的な言葉を理解していたり、この世界に滞在してまだ1週間も経っていないのに私に政治経済の説明をした少年
オールマイティーに知識を持つ少年
少年の行く末がオソロシイ
それに―――
一瞬と言えど重なった唇
10歳の子と社会人の私
まだ出会って数日しか経っていない上に相手は、少年
私の胸に産まれたこの胸の想い
(私・・・捕まっちゃう?)



********

(ねぇ・・・でかけよっか)

(出かける?どこだ?)

(う〜ん・・・ローくんはどこか行きたいとこある?)

(・・・医学専門書がある図書館)

(ごめん、文系だから理系の本屋さん知らない)

(チッ・・・使えねェ)



 

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