ONE PIECE

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有給休暇3日目
起床とともに時計を見ればなんとお昼の3時―――
昨日の夜、ベッドに入ったのは23時頃だったから16時間ノンストップ睡眠
(あ、ありえない・・・)
3日ほど前から同居することになった少年は同じベッドに寝ていたはずなのに・・・目の届く範囲には見当たらない
ふとんに温もりがないことからずいぶんと前にベッドを出ているらしい
(まぁこんな時間まで寝てる私がおかしいんだよね)
寝室から出て他の部屋を確認してみるものの


「あれ、いな・・・い?」


急いで寝室に戻って少年用に使っているチェストの一部を勢いよく開ければそこにあるはずのものが存在しない
(な・・・い・・・)
雨の日にずぶ濡れになって着ていた服だけが存在していない
あるのはこの世界で買った洋服だけ・・・
もしかして―――


「ローくん・・・元の世界に・・・戻れた、のかな?」


それなら少年にとっては喜ばしいことで・・・
私にとっても厄介事がなくなるから残りの有給だって有意義になる
もう目の前にはいない彼におめでとうって言ってあげなきゃ
もう、違う世界なんかに行っちゃダメだよ?
でも―――


「っ!!急すぎるよ・・・」


昨日までそこにいた人の温もり
口は悪いけど、弟みたいで・・・
本当の家族みたいに勝手に思い始めていたのかもしれない
だから―――涙が出てくるのかな?
思わず少年の服を抱き締めた

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