ONE PIECE
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「えっ・・・」
「何、泣いてんだよ」
座り込む私を ふわり と後ろから抱き締めたのは
もうこの世界にはいないんだと思っていた少年
「ロー・・・くん?」
「俺がいねーからって泣くなよ」
「な・・・泣いてないもん」
「へー」
そう言って意地悪な笑顔を見せた少年は私の瞳から零れ落ちていた液体を優しく拭ってくれた
座り込んだままの私を抱き締めて囁かれた言葉に・・・
私の心臓は鼓動を早めた
“この世界を出るときは***も連れていく”
顔が・・・見えなくてよかった
こんな顔―――見せられない
いなくなったと思ったとき涙が出てきたのは久々に共同生活してたから?
それとも私・・・
違う違うと頭を大きく振って自分の心を落ち着けた
「ねぇ、ローくん・・・今までどこ行ってたの?」
「図書館」
「私のこと起こしてくれたらよかったのに・・・」
「・・・起きなかっただろ」
「あはは」
まだ出会って間もない少年
でも―――
私の中では既に大きな存在・・・
「今度は置き手紙して行ってね」
「・・・あぁ」
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(何時から行ってたの?)
(9時)
(本の虫がいる・・・)
(あぁ、だからお前とは頭の出来が違ェんだよ)