ONE PIECE
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玄関で―――
私はどれくらいの時間そこに座り込んでいたのか
膝を抱えて顔を埋める私が感じたのは温かな人のぬくもり
同居人である生意気な少年に力強く抱き締められていた
「っ!・・・さっきの、何?下着って・・・」
「・・・」
「同棲してるって社内で・・・噂になったら、どうして・・・くれるのよ」
噂好きなお局様のネタになってしまったらもう終わりだ
きっとあることないこと尾ひれがついて・・・
考えただけで溜め息が出る
「いいだろ?本当にすれば」
「はいっ!?何、それ・・・」
そう言って勢いよく顔を上げれば想像以上に少年の顔が近くて思わず言いかけた言葉を呑み込んでしまった
驚く私の目尻に小さな手が触れて・・・その手は涙を拭ってくれたのだとすぐに理解できた
でも、
その次に―――
重なったソレを理解するのに多少の時間を要することになった
「え、ロー・・・くん・・・?」
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(・・・キスするときくらい瞳閉じろよ、バカ女)
(なっ!!)
(ったくこの姿じゃなきゃ)
(・・・姿?)
(チッ、なんでもねェよ)