ONE PIECE

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「どこ行ってた?」

「ローくん・・・起きてたの?」


駐車場から戻った私は寝癖のついた少年の頭を撫でた
“子供扱いするな―――”
この言葉もあと何回聞けるかな?
なるべく不自然にならないように言葉を続けた


「今、車の調子ちょっと確認してきたの。雨だしおでかけするならやっぱり車が便利かと思ってね」

「お前・・・運転できるのか?」

「まぁあまり得意じゃないけど、大丈夫だと思うよー」

「・・・この国の人口減らすなよ」


聞き捨てならない言葉を吐いて少年はリビングを出た
あの出会った日に着ていた服に着替えるために―――
いつも翌日に着る服を頭の上に置いて寝ていた少年
今日はあの日の服だった
(たまたま・・・なんだけどな。でも動いてる・・・)
着替えてる間に朝食の支度をして冷蔵庫を開けたり閉めたり・・・
気付けば少年はリビングの椅子に腰掛けていた
(ふふふ、親鳥からの食事を待つ雛鳥みたいだ・・・)
自然と溢れた私の笑みに眉間の皺が増えたのは・・・もう今日は気にしない


「はい、お待たせ〜」

「ヨーグルトも出せ」

「はいはい・・・」

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