ONE PIECE

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何も変わりない状況にもうダメだ・・・そう思って瞳を強く閉じて流れに身を任せようとすれば何か ぼわん という不思議な音が聞こえて
その音に思わず反応すればこの広い海にいつの間にか現れた船と重なるようになんだかよくわからない大きな球体?らしきものを捉えた
私がここにいることと同じくらい理解できないソレ
その理解できないものに間違いなく一直線に向かっている私
アリみたいに小さな点をいくつか確認できればそれはどんどん大きくなって・・・人間ということはなんとなく理解できる
でも、私にはその船を避ける術がなくて・・・ただ一直線に向かっていた
私は海に落ちるの?
それともあの船の上に?
どちらにしろこのスピードで突っ込めばお互い無傷でいられるわけがない
それなら―――


「そこの船、お願いですから動いてください!!!!」


ありったけの大きな声を上げれば
甲板にいる人達が動き回るのが見えた
(これであの船は大丈夫・・・だといいな)
そう思って瞳を閉じれば


「・・・シャンブルズ」


なんだか不思議な声が聞こえた気がする
(何?)
声がこんなにも近くに聞こえるっていうことは、生きてる?
身体を起こして確かめたいのに鉛のように重いこの身体が私の意思を汲んではくれない
感じた温もりに助かったんだと安心して・・・私の意識は深く沈んでいった



********

(船長・・・もしかして?)

(あぁ、やっと手に入った)

(急に浮上するから驚きました)

(なんとなく感じたからな・・・)


2013.8.21

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