ONE PIECE

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この世界で海賊はお尋ね者らしい・・・というのは手配書で理解している
だから上陸するといっても表の港ではなくこうして裏の港
私は林の中をひたすら歩いていた


「これから、どうしよう・・・」


無計画に船を降りてしまった
この世界を知らない私がこれからどうすればいいのか・・・
そんなことわかるはずもなくて
木のざわめきに思わず上を仰げばそこに空は見えなくて
生い茂った緑の重なり
この世界にたった1人―――
波のように押し寄せる孤独感
手を伸ばしても誰もいない


「や、やだっ・・・た、助けて」


座り込りこんでしまった私
伸ばしたこの手に
重ねられた温かい手
その温もりに感じる優しさ・・・


「船から降りるには船長の許可がいるに決まってんだろ」

「ロー、くん・・・?」

「お前ェの考えくらいお見通しだっての。このバカ女」


ローくんは私から零れ落ちる涙を手で拭ってそのまま私のことを強く、とても強く抱き締めた


「・・・心配させんなよ、***」

「ロー、くん?」

「元の世界になんて戻さねェよ」


木のざわめきと共に私の頬を赤く染める言葉が聞こえた・・・
“***、愛してる―――”



********

(え、ペンギンさん・・・船に乗るの反対じゃないのですか?)

(この1年は・・・酷かった。何度殺されると思ったか、)

(殺される?)

(貴女がいなかったので・・・)


2013.8.28

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