ONE PIECE

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こっちの世界に来たある日
朝起きればいつの間についていたのか私の耳にゴールドのピアス
それはローくんの耳についてるものと同じ色に同じ形で・・・
今まであえて触れることはなかったけれど


「コレ・・・あの日ローくんが投げたピアス?」

「あぁ、そうだ」

「ふふふ、同じ物たくさん持ってるんだね」


今の会話に笑う場所なんてないはずなのに
なんだか温かい気持ちにさせてくれる
笑う私の手に そっ と重ねられたゴツゴツとした大きな手
私はこの手が大好きだ―――


「ずっと聞きたかった。あの10日間は・・・楽しかった?」

「そうだな、知識が増えた」

「知識・・・か。さすがローくん」


図書館で本ばかり読み漁っていた小さな少年を思い浮かべてほほ笑んだ


「あとは・・・」

「?」

「***と―――出会えた」

「ロー・・・くん?」


まさか彼の口からそんな言葉が出てくるなんて
嬉しくて隣にいるローくんを見上げれば
今まで見たことのない寂しそうな笑顔
いつもの自信過剰なローくんはここにはいない
(この人と一緒にいたい・・・)
強く願った私は背伸びをして彼の唇に自身の唇を押しつけた
初めて
私からした触れるだけのキス


「ローくん・・・好き、大好き!離れたく、ない」


少し驚いた表情を浮かべるローくんだったけど気付けばいつもの顔になっていた
私は自分の言った言葉に頬を赤くした



********

(ローくん・・・?)

(***は俺を喜ばせるのがうまいな)

(喜ばせる?)

(俺は何があっても放すつもりはない)

(私、帰らされちゃうかもよ?)

(また迎えに行く)


2013.8.31

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