ONE PIECE
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大雨で外は真っ暗―――
今日は大人しく船長室で待機中
向こうの世界では当たり前だった大好きな長風呂もこの世界・・・というか陸の上にいないこの状態じゃ残念ながら不可能
それに1時間くらい入ってたらローくん怒鳴り込んでくるし・・・
潮風のせいなのかずっとベタベタしているこの身体
独特のじめじめした空気に気分まで少しだけ重たくなる・・・
でも植物にとって大切な恵みの雨
万物の創世を思えば―――
「降らなくなっても、困るしね」
物事を大きく捉えて1人頷いた
その時―――
後ろから そっ と優しく抱き締められた私の身体
そのガッチリとした太い腕に視線を向けたまま手を重ねた
「雨の日は甘えん坊だね・・・」
少しだけ・・・
ほんの少しだけ
いつものお返しにからかったつもりだったのに
「そうだな・・・不安になる」
「ロ、ローくん!?」
「***は俺の腕をいつかはすり抜ける・・・」
この世界にきて気付けば1ヶ月
なんだか元の世界に帰れる気がしない・・・正直そう思っている
でもこの先どうなるかなんて誰にもわからない
「ローくん、大好き・・・」
私はいつか来てしまうのかも分からないその日に後悔することがないように・・・素直な気持ちを彼に伝えた
********
(船長、ペンギンが今から潜水するって〜)
(・・・あぁ、おい、ベポ!3時間は誰もこの部屋に近付けるな)
(??アイアイ!)
(ちょ、ちょっとローくん!?)
(煽った***が悪いだろ。覚悟してろ)
2013.9.2