ONE PIECE

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ついさっきまで降っていた雨が止んで空に架かった大きな虹
キレイ・・・そう思って見つめれば向こうの世界で彼の言葉を思い出した
“大気光学現象”―――だっけ?


「ローくんってほんとロマンチックじゃないなぁ・・・」

「あぁ?」


椅子に腰かけて私とは縁のなさそうな分厚い本を読んでいたローくんが視線を私に向けた
独り言のつもりだったのに・・・
(というか今、声に出してた?)
思わず口で手を抑えるもののローくんの怪訝な顔は変わりない


「***は俺に何を求めてる?」

「何って・・・」


今、
一緒にいることができるこの空間
これだけで私は幸せ・・・
でも言葉にするなんて想像するだけでも恥ずかしくて・・・
何も言わない私にゆっくりと近付いてきたローくん
その瞳はとても力強く温かい


「俺は***が傍にいるだけでいい。この先も***と生きていたい」

「ロー・・・くん」


いつも憎まれ口の多いローくんが言ってくれた言葉は想像以上に胸に響いてしばらく涙が止まらなかった



********

(ローくんってなんだか魔法使いみたいだね)

(は?今度は何考えてんだ?)

(いつも私が欲しい言葉をくれる・・・あ、スーパーマンかな?)

(欲しい物はなんだってくれてやる。だから・・・)

(ローくん?)

(俺から離れるな)

(・・・ハイ。)


2013.9.11

 

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