ONE PIECE
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久々の陸地に踊る心
温かい気候であるこの島には無数の花が咲き乱れていた
草花の自然いっぱいな香りに心まで優しい気持ちになる―――
ふっとした時に考えてしまう前にいた世界のこと
花が咲き乱れる頃、春の想い出
泣いたり、笑ったり、怒ったり、喜んだり・・・
たくさんの時間を過ごした世界
(全部を忘れればラクになる?)
でもそれは生きて来た私の存在否定
私は―――
「***、コレありがとう」
「いいえ、どういたしまして」
私が直したジャージの綻びを指差して笑顔を向けるベポ
少しだけ・・・+++の顔が浮かんだ
(私なんかよりずっとお裁縫が得意だったっけ?)
今頃―――どうしてるのかな?
「***・・・寂しい?」
「え、ううん。寂しくないよ」
ちょっとした強がり・・・
“寂しい”そう言ったところでどうにもなるわけじゃないから
ベポは少し悲しそうな表情を浮かべて私の頭を撫でてくれた