ONE PIECE
□16
1ページ/3ページ
「そんなの船長に直接聞けよ」
「本人に聞いたら・・・サプライズにならないでしょ」
「だいたい海の上なんだし買い物もムリなんじゃねぇの?」
相変わらずペナルティなのか甲板を掃除するシャチから有力な情報は聞けそうにない
“船の中にあるものでローくんがもらって嬉しいもの”
やっぱり難しい質問だったかな?
唸り声しか聞こえてこなかった
「あっ!」
「え、何?何?・・・思いついたの?」
「おい、耳貸せよ」
「?」
言われた通りに髪の毛をかき上げてシャチに一歩近付けば
内緒話のような囁きに即座に否定の言葉を並べた
「ムリムリムリムリ。だってクセが!」
「子どもかよ・・・じゃぁ、俺のためにもがんばれよ」
「ちょ、ちょっと!?」
掃除は終わりだからと甲板から道具を引き上げて船内へと足を進めるシャチの笑い方―――
よくないことを考えるときに浮かべるシャチの癖
でも、
「俺のため・・・って?」
1人残された甲板で呟いた声は自然の音にかき消されていた