短編
□壱
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「離せよっ!!!」
「晋ちゃ…」
「うるせぇ!!俺に触るなっ」
狂喜に満ちた高杉の瞳、そこに映るのは窶れた自分の姿
「晋ちゃん…落ち着い…」
「触んなっ!!てめぇなんか…殺してやるっ」
彼がなぜ此処まで狂ってしまったのか…それは先月の事件が原因だった
その日、世間を騒がしていた。天人の密売組織が警察がたにばれたのだ
メンバーは全て捕まえたのだが、一人の天人が腹いせにとこの江戸に爆弾を数箇所にわけて仕掛けたと言った
「なにっ!?」
警察は血眼になって爆弾を探した。しかし、警察の努力も虚しくあの天人の言う通り爆弾は爆発したのだ
幸いにも死人は一人も出ずに怪我人が数十人ですんだのだが、その中に高杉がいたのだ
高杉は指名手配人、そんな奴が病院に運ばれては世間を賑わせた
そして、警察や真選組が高杉の情報を聞き付け高杉を逮捕しようとした。だが、目を覚ました時の高杉はあの冷酷で不気味な雰囲気などはあらずあるのは残酷という言葉だけだった
辺りにあるものを投げつけ獣のように威嚇をする。その場は強力眠薬で落ち着かせたが医師からの言葉は記憶喪失
真選組も警察もそれにはお手上げで彼を記憶が戻るまで面倒を見なければならないと言う
しかし、こんなにも豹変してしまった彼を誰が面倒を見るのか?鬼兵隊に頼もうとするも場所さえも知らないし敵だ。兵のために見殺しにしろと高杉が前に言ったかも知れない…
だったら…
とたらい回しのように運ばれて来たのは万事屋だった
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