短編
□肆
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最近高杉が幾分か銀時に心を許すようになった。まぁ…許すと言っても一緒に御飯を食べたり、会話をするというとこまでいかないが、最近は全く暴れなくなり、銀時の言葉には必要最低限だが返事をするようになったのだ
それだけでも銀時は高杉にとって大きな進歩だと確信した
「晋ちゃん今日の御飯オムライスでいい」
「…あぁ…」
襖を挟んで聞こえる高杉の声に銀時は笑みを浮かべた
いま、高杉と銀時は別々の部屋で暮らしている
高杉は銀時の寝室で銀時は居間で
なぜかと言えばプライバシーというのもあるが四六時中一緒にいるのも高杉にとってのストレスになり、また暴れだすかもしれないと思った銀時なりの配慮だ
「おい、万事屋!!じゃまするぞ」
銀時がオムライスを作っていればインターホンも鳴らさずいきなり入ってきたのは真選組の面々だった
「おぃ万事屋、高杉はどこ行った?」
「はぁ?どこ行ったじゃねぇだろ?お前ら警察はインターホンも押さずに土足で勝手に入ってくるの」
「いや、すいやせん旦那、この土方バカヤローが毎日マヨネーズばっかり摂取してるから脳みそまでマヨネーズに侵食されてそこらへんの常識がなくなってるんでさぁ」
土方と銀時の間に割り込めばへらっと笑いながらそう銀時に言えば土方がまた口を出した
「総悟ォォ!!いい加減にしやがれ!!」
「土方さん煩いでさぁ」
「てめぇが余計な事言わなきゃいいんだよ」
「…あのよ…人の家で喧嘩すんのやめてくんねぇ?やるなら外でしやがれ!俺、いま昼飯作ってるしよ」
「いや…悪かった。俺達は高杉の様子を見に来ただけなんだ…高杉はいるか?」
揉める二人の間に近藤が言ってはキョロキョロと辺りをみる
「いたとしてもてめぇらには会わせねぇよ」
近藤の言葉に銀時は睨みつけた
「ほーぅ…やっぱりてめぇは高杉とグルだったんだな!!どけっ」
そんな銀時に痺れを切らした土方は無理矢理に銀時を押しよければ奥にある銀時の部屋へと向かい襖を開けた
「おい勝手に開けるんじゃ…」
「…てめぇ万事屋高杉を何処にやった」
「はぁ?なに言って…晋ちゃ…」
慌てて土方が襖を開けるのを阻止のしようとした銀時の目に映ったのは窓が全開に空いた高杉のいない部屋だった
多分此処から逃げ出したのだろう…銀時は顔を青ざめれば銀時は土方達を払いのけて直ぐさま外へと向かう
「てめっ…何処に行きやがる」
後ろから土方の怒鳴る声が聞こえるが気にもせず高杉を探しに銀時は外へと飛び出すのだった